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世界遺産 ローマ歴史地区     ローマ・コロッセオ、フォロロマーノの地図


  コロッセオ

コロッセオの断面の構造がわかる。
なんといっても、ローマはコロッセが一番!

 紀元80年、古代ローマ時代の建造物。
 ローマ遺跡は風化して遺跡となったのではない。ローマ帝国の崩壊後、人間によって破壊されたため、現在のような遺跡になってしまったという。
 313年のコンスタンティヌス帝の「ミラノ勅令」によるキリスト教公認、392年テオドシウス帝によるキリスト教の国教化。そして、4世紀後半から始まったゲルマン民族の南下。
 フン族(中央アジアの騎馬民族)が黒海の北方から西に移動いたことにより、玉突きのようにゲルマン諸民族が西へ南へ移動した。特に西ゴート族はローマ帝国領内に大挙して移動してきた。395年東西ローマ帝国に分裂し、476年の西ローマ帝国によりヨーロッパは中世世界に入っていく。
 コロッセオの破壊活動は蛮族のためだけではない。住民が大理石や鉄を建材として運び去ったりした。10世紀には住居として使われ、それを不動産屋が売ったり貸したりしていたという。

 

フォロ・ロマーナの全景

パリの凱旋門はこのコンスタンティヌス帝の凱旋門がモデルだという。

 フォロ・ロマーナは破壊があまりにもひどく、柱や石のかけらしか残されていないのが哀しい。資料から古代ローマ時代の建物の概要が知られるのみ。政治の中心的な場所だったため市民の生活の跡はない。
 世界の大帝国がなぜ崩壊しなければならなかったのか。他民族との共存、宗教や文化の多様性の受け入れ、共和制と帝政のバランス、最強のローマ重装備歩兵。だが帝国崩壊時には、長期の皇帝独裁のもと市民の心は荒廃し、「パンとサーカス」(社会保障と娯楽)にうつつをぬかし、帝国防衛ラインは機能せず、侵略されても市民は武器をとるすべさえも忘れてしまっていた。 辛い労働は奴隷に任せ、戦争は傭兵に任せ、自分たちの生活と生命の維持以外に、何の信ずべき価値も見いだせなくなっていた。
 ローマ帝国の栄光と崩壊。フォロ・ロマーナの遺跡は驕り高ぶる現代人にも何かを語りたがっているようだ。

コンスタンティヌス帝の凱旋門

 左の写真は、コンスタンティヌス帝の凱旋門。プランス・パリの凱旋門はこの門を参考に造られたという。


 伝説によると、ローマは紀元前753年に初代の王ロモルスによって建国された。
 ロモルスは双子の兄弟でオオカミによって育てられたという。フォロ・ロマーナに接した市庁舎の左側にオオカミの乳を飲む子どもたちの像があった。古代ローマ建国伝説の象徴のようだ。


円形が印象的なサンタンジェロ城。この屋上には喫茶店がある。ここからのローマ市内の眺めは360度見渡せて最高。城からサン・ピエトロ大聖堂に続く通りもよく見える。

サンタンジェロ城(聖天使城)

 テーベレ川の畔にある円形の城で、直径64mの円筒状で印象深い。日本語で聖天使城。
 ローマ5賢帝の3番目、ハドリアヌス帝の霊廟として紀元2世紀頃につくられた。その後、霊廟は増築され戦闘用の設備が設けられ、城塞に造り替えられた。
 「カノッサの屈辱」で皇帝を屈服させた教皇グレゴリウス7世は、ドイツ皇帝ハインリッヒ4世にローマを制圧(1081年)されたときに4年間もこの城に立てこもって耐え、16世紀の皇帝軍によるローマ劫掠にも教皇はこの城に逃げ込んで難をしのいだ。サンタンジェロは難攻不落の名城だったのだ。その後、政治犯や異端者の監獄としても使われ、拷問や処刑の場ともなった。
 テーベレ川にかかるサンタンジェロ橋が正面のようだが、残念ながら橋には行けなかった。



サンタンジェロ城の屋上にある戦う聖天使像。闘う教皇の象徴だとか。城の名前の由来ともなった。

屋上の聖天使像

 サンタンジェロ城の屋上にある天使が武器をもっている勇ましい像。戦う教皇のイメージのようだ。

 サンタンジェロ城をつくったハドリアヌス帝は死ぬことばかり考えていたという。自分の陵墓を作り終えた頃、ストア哲学者がやってきて自殺を希望し許可を求めたという。皇帝は許可を与え、意気投合して人生の無意味さについて語り合ったという。哲学者が毒を飲み干すのを見た皇帝は、自分にも毒杯を持ってこいと叫んだが、誰も持っていかない。侍医に命ずると進退窮まって自殺してしまう。そこでお付きのものに剣をよこせ、さもなくば剣で刺してくれと懇願したが、誰も恐れをなして逃げてしまった。「ああ、わしほど不幸な者があろうか、人には死なせる権限を持ちながら、自分自身を死なせることができないなんて。」古代ローマ皇帝ハドリアヌス、そうとう変わった皇帝だったようだ。(「物語イタリアの歴史U」 藤沢道郎著)


バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂。バチカン宮殿の中は礼拝堂や博物館や美術館が一体となっており、必見。
photo by miura 2005.11 
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