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世界遺産 「ピサのドゥオーモ広場」1987年   イタリアの地図


: 現在の海岸線は10Km先にあるが、かっては海岸がすぐ側にあり、ピサは地中海の海運国としてジェノバやベネチィアなどと競合していた。十字軍の出発基地としてもにぎわっていた港町だった。13世紀末にはフィレンツェの支配下におかれることになった。
 その港町に建てられたドゥーモ(大聖堂、キリスト教会)だが、河口付近であるため地盤が弱く、重い大理石の大建造物には向かない土地だったようだ。 しかしそのために、斜塔などの観光資源を手に入れることになった。
 白亜の大理石の斜塔とドーモと洗礼堂がセットになって緑の芝生に生えて美しい。

 




ピサの斜塔

 鐘楼 北側55.22m、南側54.52mその差70cm
 1173年の建設当時からの地盤沈下していた。傾いていることがわかったため、何度か補正の試みされたがうまくいかず、100年近く放置されていた。その後なぜか工事が進みとうとう建物として完成してしまい、現在に至っているという。

 海岸沿いの地域で地盤が弱いためと基礎工事が不十分だつたため、重い大理石を積み重ねたら傾いた。それでいったんは建設工事を中断して垂直に直そうとしたが、重機もない中世のことうまくいかず、そのまま工事は中断されていた。100年ほどたって、このままでも倒れないだろうということで傾いたままで工事を続行し、ついに完成させて傾いたままの今の形になっているとのこと。 このあたりが、なんともアバウトですばらしい。
 ガリレオはピサ大学で医学を学んでいた。この斜塔で「落下の法則」の実験をした。 また、ドゥオーモにつり下げられたランプから「振り子の等時性」を発見したという。

 斜塔の倒壊を防ぐための工事が現在も続けられていて、2001年より公開が開始されている。地盤が弱く傾斜が進んでいるのになぜ倒壊しないのか。
 塔の基礎部分は下の左右の写真のように、コンクリートでしっかり固められ補強されている。これで倒壊が免れるのかどうかは不明だという。


傾いている礼拝堂

 斜塔とは別のこの建物も微妙に右に傾いている。これは斜塔とは逆の方向への傾きになっている。
 礼拝堂の内部は不要な装飾がなく、シンプルで美しい。説教や洗礼などの儀式に使われていた。 音響効果がすばらしく、ここで説教すればドラマチックな雰囲気をもりあげることができ、効果絶大と思われる。

 

 広場の側に建っている建物は病院で、ドウオーモを挟んで反対側は共同墓地になっていたらしい。現在も墓地の発掘が進んでおり、たくさんの人骨がみつかっている。
 かってのドゥオーモ内では、出産から墓場まで人の一生のすべてを教会が面倒をみていたらしい。

photo by miura 2005.11 mail:お問い合わせ
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