ホームへ
イスタンブール
トロイ
ペルガモン
エフェス
パムッカレ
コンヤ
カッパドキア
ハットーシャ
 

ペルガモン遺跡


場所:トルコ・エーゲ海地方
ペルガモンの遺跡の地図
ベルガマの丘陵地帯に残る都市遺跡。  
アレキサンドロス大王の死後、この地に住み着いたギリシャ人たちがつくりあげた典型的なヘレニズム国家として知られる。紀元前3世紀半ばにベルガモン王国として独立、紀元前2世紀頃にはローマによって併合され、その属州となった。  
   

 ペルガモンの遺跡は、古代の医療施設であるアスクレピオンと丘の上のアクロポリスに分かれている。アクロポリスはギリシャのアテネが有名だが、アクロ(高いところ)ポリス(都市国家)という意味。最初に訪れたのはアスクレピオンで、ギリシャ神話の医学の神、アスクレピウスに由来している。
 写真は、コロネード(回廊)と劇場の跡。
 ガイドさんがアスクレピオンの全景について説明をしている。
 ここには総合的な医療施設があり、神殿と回廊と劇場と図書館を備えた診療所、浴場、保養施設があった。
死は忌み嫌われ、治療により回復する見込みのある病人のみが受け入れられ、重病人や助かりそうもない病人は入れなかったという。

アスクレピオンに続くコロネード(回廊)

 柱の多くは失われているが、数本が立っていて紀元前の総大理石張りのすばらしいコロネードをおもわせる。向こうの丘にはアクロポリスの遺跡があり、往来があったという。
 現在は、どこにでもある丘にしかみえないが、当時は大理石の柱の影からアクロポリスの神殿や城壁がみえる壮観な風景だったのだろう。
 ひとつの文明の終わりの廃墟を見るのは、我が文明の末路を暗示して、なぜかうら悲しくも楽しい。

ヘビは「再生」を意味し、病院や薬局のシンボル

 お皿にヘビの毒を集めている図。この施設への入院を断られた患者が悲観してこのヘビの毒を飲んで死のうとしたら、どういうことか病気が治癒したということに由来しているとか。
 こんな大理石の柱がそのまま残っている不思議。石の文明は2000年たっても朽ちない。

大理石の石柱の上の台

 縄文時代の火炎式土器のイメージ。日本の縄文式土器の装飾は、世界でも例を見ない高い水準にあるが、それよりちょっと後の時代の世界の文明圏では、大理石で装飾を表現していた。
 土と石の文明の違いはあるが、日本の土器は日常生活や宗教儀式などで使われていて生活に密着した強みがある。

 劇場の遺跡と大理石のコロネード(回廊)跡。
 この施設全体にコロネードがめぐっており、散歩やリハビリに使ったという。現代にも通じも病院施設で、医療によるいやしの世界は2500年前も同じということか。

劇場の上から見た、アクレピオンの全景。

 写真の右下には半地下状態の病院施設がある。病院施設に大規模劇場が併設されているのは、入院患者さんにも人生を楽しんでもらおうとの判断によるものか。

地元の子供たちが劇場の遺跡で草花をつんでいた。

無花果の木

 トルコでは無花果の実は名産のひとつで、乾燥して販売されている。
 日本にある無花果の木はもともと自生していたものか中国を経由して伝来したものなのか。

テレスポロス神殿といわれている病院施設

 写真の右奥に劇場が見える。
 半地下状態のためか施設の状態がわかる程度に保存されている。円形状の建物で昔は総大理石張りだったという。

アクロポリス(高い場所にある都市)

 アスクレピオンからバスで20分程度の山頂にある遺跡。あっちこっちに太い大理石の柱が転がっている。
 向こうに見えるのはトラヤヌス神殿で、ローマのトラヤヌス帝の時代に立てられたという。神殿の一部が復元されて残っていているが、何か夢をみているような不思議な気分にさせる空間。

復元されたトラヤヌス神殿の部分

 白亜の大理石がエーゲ海地方の明るい太陽に輝いていた。当時はどんなにすばらしかったことか。

 温帯モンスーンからきた民族には、蓮の花に鎮座しているお釈迦様のイメージに近しいが、この光り輝く神殿との格差には目がくらむ。
 日本のお釈迦様ややおろずの神は健在だが、ギリシャの神々は今どうしているのだろう。

劇場

 丘の急斜面を利用してつくられた大劇場。1万人が収容できたという。ここからの眺めはすばらしく、ベルガモの町が一望できる。
下の方の貴賓席は大理石でできている。

劇場の下にあるディオニソス神殿跡

 荒廃がすすんでいて修復もされていないが、神殿に続く大理石の通路がよくわかる。開放的で明るい遺跡。インカの山岳遺跡のような感じ。

劇場の石席

 丘の上にはトラヤヌス神殿が見える。急斜面の階段状の劇場では何が上演されたのだろう。
 音響効果がよいため下の舞台の小さな声でも上までよく通るという。

 

トラヤヌス神殿の下の通路

 この通路の左側には部屋が仕切られている。右側はがけ。
当時、穀物倉庫だったのではないかという。
石を組み立てた通路がよく保存されている。

トルコのお酒 ラク

 干しぶどうとある植物から作られた無色透明の焼酎で45度もある。
 水で割ると白濁し、「ライオンのミルク」と言われているとか。
 ハッカのような独特のクセがあり、飲みなれていない人には合わないかも。
 何度か試してみたが、あまりうまいものとは思われない。トルコの気候に合うウォッカといったところか。

喫茶店

 トルココーヒーやチャイという紅茶を飲んでいる。
 トルコの男性は昼日中から喫茶店のあたりでお茶をし、女性は畑や羊の世話をしてかいがいしく働くという。

 トルココーヒーは、小さいカップに注がれた濃い色のコーヒーで、イタリアのエスプレッソに似ている。苦みが残っていてエスプレッソよりもっと素朴で原始的な味がする。
ホテルのロビーでコーピーを頼もうとしたら、トルココーヒーとアメリカンがあるという。私ははトルココーヒーを試したが、アメリカンを頼んだ人にはティーパックのコーヒーが出てきた。トルコで飲むコーヒーはトルココーヒーに限る。

 
このページのトップへ
photo by miura 2004.4