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イスタンブール


場所:イスタンブール
トルコの地図
世界遺産名:イスタンブール歴史地区  登録年:1985年   

海からみたトプカプ宮殿

 海からみたトプカプ宮殿はまちがいなく西の文化のものだろう。トルコは西と東の文明の交差点といわれるが、そのトルコは西か東か。西になりたがっている東の国というところか。
 東アジアの日本から見ると、トルコは西に近い中東で、アジアではない。アジアにもイスラム教徒は多いが仏教的なもののほうがアジアの自然には似合っている。

 海岸沿いに城壁が続いていてお城であることがわかる。 トプカプ宮殿の左側に見えるドームとミナレット(塔)は「アヤソフィア」、その左が「ブルーモスク」。ヨーロッパ側の旧市街地には、歴史的な建造物が多い。

ブルーモスク

 オスマントルコ時代、1616年に完成した巨大なモスク。6本のミナレットをもつことでも知られている。
 外観が青いというわけではない。ドーム内部のイズニック・タイルの色が青と緑が基調になったいて、全体に青い印象を受ける。そのためブルーモスクといわれている。
 仏教もキリスト教もイスラム教も宗教施設としての寺院の雰囲気は同じだか、イスラムの寺院は余分な装飾をもたないだけに、最もサッパリとしていて明るいように感じる。モスクはアラビア語で「マスジド」と言い、「平伏する場所」を意味する。仏教の場合は「すわる・おがむ」となるが、モスクはイスラム教の「ひれ伏す」場所としてまことにふさわしい。
 礼拝する方向はメッカであり、その方向には壁にミフラーブが設けられる。ミフラーブは壁に設置された窪み状の設備で、幾何学的な模様で豪華に飾られている。

とにかく大きい

 イスタンブールで最大級の大きさということだが、とにかく大きくて、威厳があり、美しい。
 中庭の中央に噴水があり、信者は礼拝前にそこで身を清めることになっている。
 左右対称に6本のミナレットが建てられている。 ミナレットは、モスクに付随し、礼拝時刻の告知(アザーン)を行うのに使われる塔である。ミナレットは普通はモスクに1つか2つがついているが、4本は王位の人が礼拝するモスクということになるらしい。
 仏教の鐘楼と同じような機能とおもわれるが梵鐘は時を知らせるが、ミナレットは礼拝の時刻であることを知らせる。

アヤソフィア

 ビザンチン帝国時代360年に創建された教会。537年にギリシヤ正教の大聖堂として完成した。1453年にオスマン・トルコがコンスタンチノープルを占領するとイスラム教のモスクに変えられた。
 キリスト教会だからと破壊してしまうのではなく、そのままモスクとして使用するというのは、きわめて合理的な判断で望ましい。イスラム教はこんなにも寛大であったのか、破壊と建築の経済的な理由によるものか。
 壁面のモザイク画は漆喰で塗り固められていたが、1934年に博物館として公開されるときに覆っていた漆喰が取り除かれると、すばらしいモザイク画があらわれた。

初期の教会だったころの建物の部材

 クローバに埋もれるようにキリスト教会時代の石がオブジェとして使われていた。
 栄華を誇った教会でもモスクでも、いずれ自然に戻るということだろうか。

 

 

ぺルガモのつぼ

 ペルガモの遺跡から持ってきた大理石を、清めの水をためておく壺に変えられたとか。とにかくスケールが大きい。

漆喰をとったら現れてきたキリストのモザイク画

 モスクの壁の漆喰をはがしたらキリスト教会時代のモザイク画が出てきた。
 キリストの表情は厳しい。 何かを訴えるような問いかけるようなまなざしは、キリストの苦悩をあらわしているのか。キリストは何を問おうととているのか。モザイク画の下半分は復元できなかったようだが残念。
 この絵が気に入ってしまったので、イスラムのモスクの売店でキリストの絵葉書と壁掛けを買った。仏教寺院でキリストの絵を買うようなもので、トルコのイスラム教はまことに寛大ですばらしい。

ボスボラス海峡をヨーロッパ側からアジア側を見たもの

 海峡に面したとおりは公園になっていてよく整備されている。トルコの青年はこの公園でデートをするのが夢だとか。
 トルコの青年には1年余りの兵役の義務があるが、日曜日には若い人たちで込みあっているという。平日なのか犬をつれた老人の散歩すがたをよく眼にした。

 時間があればもっと街を歩いてみたい。西と東とキリスト教とイスラム教と古い歴史と現代と、渾然としたイスタンブールはとても魅力的で面白い。

地下宮殿のような地下貯水槽跡

 532年ビザンチン帝国時代に作られた市民の生活のための貯水槽。300本以上ものビザンチン様式の柱で支えられていて、観光用にライトで照らし出された柱が美しい。
 オスマン・トルコがインタンブールを占領したときに発見し、まるで宮殿の中のようなつくりで、あまりにも立派な貯水槽なのに驚いた。ローマ時代の石柱を集めて作られたようだ。
 イスタンブール市内には30箇所余りの地下貯水槽があるという。

地下貯水槽の柱の礎石といて使われたメドゥーサの頭


 横に寝かされていた。
 特に意図はなく柱の高さをそろえるため、たまたま横の状態で使われたのだとか。
 一番奥まった場所に、年代ものの彫り物が惜しげもなく貯水槽の礎石として使われている。魔除けかはたまたいましめか。こんなところがイスタンブールの魅力なのだろう。

 メドゥーサの頭が逆さまの状態で使われていた。トルコの古代遺跡にはよく メドゥーサがでてくる。日本の鬼瓦のような魔よけの意味があるのだろうか。

 「メドゥーサ」はギリシャ神話にあるゴルゴンの3姉妹の1人。「女王」メドゥーサと呼ばれる。もともと美少女であったメドゥーサは、海神ポセイドンと女神アテナの神殿で交わったためにアテナの怒りをかってしまった。嫉妬したアテナの妬みで、頭髪は無数の毒蛇、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼をもち、見たものを石に変える魔物にされてしまった。
 ペルセウスがようやくメドゥーサを倒し、その首を切り落としてアテナに捧げた。そのときほとばしり出た血から、ポセイドンの子である天馬ペガサスが生まれたと言い伝えられている。
 アテナはそのメドゥーサの首を自分の盾にはめこんで、最強の盾としたという。


head of medousa

トプカプ宮殿の門

 16世紀に作られた、当時の典型的な城門。現在、トプカプ宮への入り口として使われている。
 権勢を誇ったオスマン・トルコの宮殿の門としてはこじんまりで親しみがある。宮殿全体に上品な格調があり、趣味がよい。しかし、本格的な攻城戦には向かず、住まいとしての宮殿。

宮殿内の宝物館

 美しく格調のある建物。
 ここに86カラットのダイヤモンドやルビーなどがガラス球のように飾ってある。
 展示物のほとんどが贈り物や略奪品だという。日本からの贈り物の大きな陶器もあった。
 宮殿のさっぱりと洗練されたデザインとその中の展示物の人間の欲望そのもののようなエゲツナサのコントラストがなんともいえないすごさを感じさせる。

 
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