8.エルフード・メルズーガ・アイト・ベン・ハッドゥ |
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途中で日没に。砂漠に沈む夕日が遠くの宿を浮かび上がらせていた。 観光の仕事を終えて家に帰るラクダたち。 |
エルフード |
ホテルの裏庭。砂漠に直結している。色々な国の人たちが砂漠の雰囲気を楽しんでいた。 |
メルズーガ |
ホテルの裏庭から見た砂漠。熱くも寒くもなく、気持ちの良い砂漠の夕暮れが楽しめた。 |
モロッコ中央部のアトラス山脈から南東の砂漠の方に流れ出た川は、いつしかサハラの砂漠に飲み込まれて消えていくのだという。 |
砂漠で見る朝日。 |
夜、見上げれば満天の星。天の川も怖いほどよく見える。見慣れたオリオン座を探したが見つからない。離れの部屋に戻る途中、見上げるとちょうど真上にオリオン座のベルトの三ツ星が見つかった。冬の東京でよく見ていたオリオンのまんまだった。なぜか安心した。
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砂漠の朝。太陽は向こうの砂山の上にある。 |
満天の星は変わらない。天の川をとんと見たことのない日本人が多くなっている。ラクダ使いのベルベル人には天の川はどう見えているのだろうか。観光客はきれいといって喜ぶが、彼らにとっては夜の旅の最重要な道しるべとなっていたはず。 10月の砂漠の明け方は、防寒具を着ていたがやや寒い。空気は乾燥して澄んでいる。昇る朝日を静かにたのしみたかったが、感動して騒いでいる人もいる。やや離れたところで一人楽しむのがよいようだ。 |
朝日の照らされて隣の砂丘に映った影。不思議な気分。 |
朝5時に出発。朝日を見ての帰り道。みなさん満足してラクダに揺られている。でもラクダの旅人ではなく単なる物好きな観光客といったところ。いたしかたない。
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朝日の中でみた幻想的な砂丘。遠くに宿泊した宿が見える。 |
こんな砂漠の中のテントホテルもある。テントの住み心地は悪くなさそうに見える。砂漠が地かに感じられて面白いかも。こんなテントに連泊して砂漠を楽しみつくすといった趣向も悪くない。 |
集落のはずれによく見られたサッカー場 |
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9.アイト・ベン・ハッドゥの集落 要塞都市 |
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ワルザザード近郊には、要塞化した村(街?)という意味のカスバが点在し、最も保存が良いアイト・ベン・ハッドゥは1987年に世界遺産に登録されている。映画のロケ地としても有名なこの村は、砂漠の民ベルベル人の住居がそのまま残されている。 |
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アイト・ベン・ハッドゥは、古代より隊商交易の中継地として栄えた。この地にはカスバと呼ばれる邸宅が数多く建築され、中でも特に有力であったハドゥ一族が築いたのがアイット・ベン・ハドゥの集落。孤立した集落であるために、盗賊などの掠奪から身を守る必要があり、城塞に似た造りになっている。
家の中に案内してもらってミント茶をごちそうになった。土レンガのラセン階段を登って3以上の階だった。部屋に入るには履物を脱ぐ。床には絨毯がひかれ、外見とは異なり壁は白く塗られている。部屋の天井は桟が渡されかやぶき風に加工されていた。居心地は夏も冬でもよさそう。 |
青空に映える土色の塔が素朴で美しい。 |
アイト・ベン・ハッドゥの集落では、現在は数家族しか住んでいない。川を挟んだオアシスにあるが交易路は対岸にあり、生活するのには川を渡らなければならず、不便である。そのため集落の多くの家族は対岸の便利な街に移り住んでしまったという。それでも古代遺跡のようなアイト・ベン・ハッドゥが昔の面影そのままに現代に残っていて、アジアのはずれの観光客を楽しませてくれるのはうれしい。 |
暑さ除けのため窓が少なく小さい。それでは家が暗くならないかと思うのだが。イスラムのお決まりのようなもので、家には中庭があり噴水ではないが井戸がある。各部屋は中庭に向けて大きく開いていて、明り取りの機能ももたしている。しかし、緑がない。 |
村の中には車は入れない。狭く凸凹なのでリアカーも無理。荷物の上げ下ろしはもっぱら馬かロバの仕事となる。思いっきり荷物を積まされたロバが上がってきた。いささかつかれているようだ。 |
部屋の内部のカヤぶきの天井 アイト・ベン・ハッドゥの集落を抜けて小山を登っていくと、頂上に建物が見えてくる。なんの変哲もない四角い小屋。ここは穀物倉庫として使われていたようだ。 |
アイト・ベン・ハッドゥの集落がある山の頂に、建物がぽつんと建っている。穀物倉庫として使われていたという。集落が襲われた際に最後の砦として閉じこもるための兵糧庫にもなった。兵糧庫の周りは壁で囲われている。 |
アイト・ベン・ハッドゥは内部を見ると、ほとんど泥壁しか見えない。やはり外部から見てイメージを膨らませたり、夢をみるように楽しむものであるようだ。 気になった話。モロッコでは2階部分が造りかけのような家が目立つ。家族が増えたらやお金ができたら2階部分を造る予定ということだが、建設途中の家には課税されないだめが本音だとか。何が本当かはわからない。
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photo by miura 2017.5 |