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アイガー・ユングフラウ
マッターホルン
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ルシェルン・ベルン・レマン湖

マッターホルン  [地図]


氷河特急

氷河特急

 グリンデルワルトから、バスでグリムゼル峠とフルカ峠を越えて、アンデルマットに着く。ここで氷河特急に乗る。
 赤と白の車体が緑に映えて美しい。

氷河特急

氷河特急とホルン吹き  電気機関車が乗客車両を引っ張るかたちで、客室内はきわめて静かで乗り心地もよい。天井の半分までがガラス張りで外の景色がよく見える。ビールを飲みながらぼんやり眺めているのもよいものだ。今回は残念ながら石組造りの空中ループ橋は渡らなかった。

 氷河特急の中で、ホルン吹きのおとうさんたちといっしょになった。ツェルマットの記念式典に参加するためだという。
 列車のボーイが、おとうさんたちに盛んにビールやお酒を勧めていた。どういう関係なのだろう。
 とある駅で、彼らはホルンを担いて降りたかと思ったら、左の写真のように吹き出した。これは通常のサービスなのか、イベント的な出来事なのか。
 よくわからないが、 氷河特急の気分満点のサービスではあった。こころなしか、音色に酔いがでていたように思う。
ツェルマットからのマッターホルン

マッターホルンの麓、ツェルマットの朝

 氷河特急で、アンデルマットからツェルマットまで走る。駅に近い宿のテラスからマッターホルンが半分ほど見えた。
 左の写真は、ガイドさんに誘われるまま「朝日に染まるマッターホルン」を見に行ったときのもの。 ツェルマットの町の中でもマッターホルンはこんなふうに顔を出している。なんなのだろう、この風景は。

 目の前に川が流れている。スイスの川で清流をイメージすると裏切られる。川は緑色に白濁してものすごす水量と勢いで流れている。多くは氷河から流れているものと思われるが、石灰岩が多いために白っぽい色がつくのだとか。

赤いマッターホルン

 町の撮影ポイントから撮ったもの。
 季節は夏8月だが、マッターホルンの北の斜面には雪が残って輝いている。 4478mの山の頂上付近に朝日があたって赤く輝くさまは此の世のものとも思われないが、観賞する間もなくカメラのシャッタを切り続けてしまった。

 絶景の撮影ポイントといわれる橋の上では、日本人観光客が300人、カメラを抱えて押し合いへし合いしているのだとか。私が見た限りでは橋の上にいた日本人は50人ほどだった。それにしても気持はわかるが、恐ろしいことである。

マッターホルン

マッターホルン

 こんな山がわんとに存在するということが信じられないくらい、すごい景色。ガイドさんが、山が見えたからといって興奮して叫びまくらないでくださいといっていたが、誇張ではないことがよくわかった。
 登山電車の私の席の反対側に座っていた世田谷の親子が、マッターホルンが見えるやいなや興奮してやってきて私たちの席をとうとう奪ってしまったのだから。

 実際、この山は人を興奮させる何かを持っているようだ。

 隆起した地形を氷河が削ってできた山ということだが、どうやったらこんな山ができるのか、不思議なことである。造物主の遊びのような山。その山が裾までこんなにはっきり見せてしまってよいものだろうか。

アブト式の登山電車

アブト式の登山電車

 終点のゴルナーグラート駅にて。
 こんなかわいらしい小さな電車だが、割と静かで急勾配の斜面をゆっくりと登ってゆく。
 終点で降りると、3089mの展望台。
 ここから5分ほど上に歩くと ゴルナーグラート展望台に立つことになる。

ゴルナー氷河
ゴルナー氷河 上の写真はゴルナー氷河、左はモンテローザ4634m。
ゴルナーグラート展望台

ゴルナーグラート展望台から

 3089mの展望台から、モンテローザ  4634mとマッターホルン4478m、そして眼前のゴルナー大氷河を一望できる。
 時間があれば、ホテル横のテラスでビール片手にのんびりしたいが、このあとハイキングを控えあまり時間がない。 「風景に心うばわれ」ただ右往左往しながら呆けているのみ。

 モンテローザは、日本では喫茶店やレストラン、飲み屋さんの名前になることが多い、なぜだろう。これといった特徴があるわけではないが、山の両脇から大きな氷河を流している。マッターホルンのような独立蜂ではないが、他のの4000m級の山に囲まれながら、氷河により分たれていてかっこいいともいえるのだが。

ゴルナーグラート展望台にあるホテル  ゴルナーグラート展望台にあるホテル。
 このホテルに泊まればマッターホルンは独り占めだが、やや立派すぎる感じ。年中、日本人の予約客で満杯なのだとか。さすが金満日本人。

 自然の中では、実際にその中に身体ごと入り込んで楽しむに限る。登山は野暮なので散歩のような山歩きがよい。いや、そういう歳になってしまったということか。
 ここから一駅下の 駅まで、山歩き。
ッターホルンを正面に山歩き

マッターホルンを正面に山歩き

 眼の前のマッターホルンを見ながらの散歩。
 こんな贅沢な山歩きがあるだろうか。スイスまでこれをやるためにやってきたのだと思えてくる。

 途中に小さな池が2箇所ある。この池での記念写真も格別、冥土の土産とはこのことだろう。
 3000mの山腹をハイヒールで散歩できるかどうはは分らないが、ほとんどそんな贅沢に近い。

 スイスにくるのに際して、山歩きで後れをとっては迷惑がかかると、丹沢山塊にて3日曜日連続で鈍った足腰を鍛えてきたのに、こんなに楽して、楽しい思いをしてよいのだろうか。

 たくさんの人に踏み固められた道ではなく、原野のようなところを歩いてみたくて離れたところを歩いてみた。ガイドさんに怒られた。

マッターホルンの山裾

 高山の貴重な草花がいたんでしまうということ。いい年をして恥ずかしいことをしてしまった。

 マッターホルンは独立蜂で、ひとり寂しくも雄々しくそびえ立っているが、よく見ると右の山裾に山小屋のようなものが多数存在している。この山裾には登山道のようなものがあるのがわかる。これなら登頂はともかくとしても、いけるところまでの登山のようなものが、自分でもできるような気がしてくる。

 下に降りていくにしたがって山裾がはっきり見えてくる。ゴンドラやリフトのようなものも多数見えてくる。マッターホルンの山裾はスキー場になっていた。なんと贅沢なキスー場であることか。いつの日かこのスキー場で滑ってみたいものだ。

 登山鉄道でツェルマットに戻る車窓から撮ったもの。相変わらずスイスの山裾は美しい。牧草地と針葉樹と点在する家と。
 この風景は日本では見ることができない。こんなきれいな牧草地がないから。
 また山の上のほうの家では住みにくいのではないかと心配になる。どうやら朝日が早く当たるとか、夕日が遅くまであたるとか、日当たりが大事な要件であるようだ。
マッターホルン会心の写真

マッターホルン会心の写真

 下の駅まで降りてきたときに撮ったもの。山頂に少し雲がかかってきているが、このほうが、立体感が出て迫力がある。私の会心の一品。
 右下の小屋のようなものは、礼拝堂のようだ。さすがのスイス人にもマッターホルンのこの姿に神の意志のようなものを感じるのだろうか。

 しかし、どうして4478mの山がこんなにはっきりと見えるのだろう。この透明な空気感が、人の心を狂わせてしまう。
 こんな姿を見せてくれたマッターホルンに感謝。

ツェルマットの町とマッターホルン

ツェルマットの町とマッターホルン

 マッターホルンを別の角度から見ることができるスネガ展望台に登った。
 帰りはハイキング。途中から見えたツェルマットの町全景とマッターホルン。スイスの山と森林と牧草地とそして町(村)はどこから見ても美しい。もっともっとハイキングがしたかった。
 こんな表現がいいかどうか、「天国に近い」。そのくらい魅せられてしまった旅だった。

 空気が澄んできれいだ。ガソリン自動車は町に入ることができない。1つ手前の駅で降りて電車に乗るか、シャトルバスを使って町に入る。
 町の中では電気自動車と馬車しか走っていない。ハイブリッドも許されない。この小さな谷合の町は、そうやって自然と観光と生活を守っている。この町は馬車がよく似合う。

 この日、ツェルマットの町は鉄道開通100余年の記念式典のようなものがあった。写真はツェルマットの駅前の式典の様子。
100人のホルン吹きを募集したところ、スイス全土から300人のホルン吹きが集まったという。300本のホルンが一斉に音出すのはギネスものだとか。
 ビール片手に、スイスの気分にタップリとしたることができた。ラッキー!

 町のあっちこっちでホルン吹きがホルンを吹いて、鉄道開通記念を祝っていた。

ツェルマットの協会の前でホルン

 町はずれの教会の前で。
 ツェルマットでは、パイプオルガンよりホルンが似合う。

ゴルナーグラート展望台でのホルン

 やはりホルンは自然の山できくのが一番いいようだ。ホルンの音は柔らかくて、大きな音ではないが、自然の中では山々と共鳴して雄大な交響楽となる。
 なぜ、スイスアルプスの中のホルンかはわからないが、自然と共鳴できる楽器はホルンしかないかもしれない。
 スイスの山々とカウ&ベルとホルンの響きという牧歌的な感じもあるが、聞き様によっては自然を克服した人間の雄たけびのようにも聞こえる。

photo by miura 2009.9 mail:お問い合わせ
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