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5.カスバ街道



壺やタジン鍋を売っている店


石ころは化石で三葉虫やアンモナイトの化石が入っている。
サハラ砂漠はかって緑豊かな土地だったという話は聞くが、海の底だったという話はいつ頃のことなのだろうか。
 

 サハラ砂漠がモロッコのアトラス山脈にぶつかるあたりの、東西を結ぶ交易ルートをカスバ街道という。古代から交易ルートだった。ラクダの隊商が行き交い、その街道の川沿いには古くから集落が発達し、その多くは城塞の街・カスバとなっている。盗賊まがいの隊商も多かったのだろう。

 街道沿いには、壺やタジン鍋や石ころを売っている店をよく目にする。石ころの中にはアンモナイトや三葉虫の化石が入っている。
  私も上の黒いテントの店で石ころを2つかった。200DH、2000円はした。石は二つにきれいに分かれていて、その左右にきれいに磨かれたアンモナイトが入っている。どこへいっても化石入りの石ころをお土産として売っている。ただの石ころを二つに割ったら、アンモナイトの化石がきれいに分かれて出てきた、というようなことがそんなにあるものだろうか。


地下には水路があり、写真のような井戸からくみ上げる。


 モロッコではこんなバイクの三輪車がよく走っている。日本ではとんと見ない。
 左の写真は、アトラス山脈からの水を砂漠のほうまで引いて農作物を育てようとしていたらしい。井戸の上のロープの巻き上げ器で水をくみ上げる。現在は使われていないという。


地か水路の上の井戸がかなたまで続いていた。何なのだろう。

 川では多くの女性や子供たちが洗濯をしていた。モロッコの川では普通に見られる風景。砂漠地帯では水の確保は容易ではない。

 アカバ街道の神髄。こんな城塞の街があっちにこっちにと続いている。土のレンガで固めた城塞に今も人が住んでいるかどうかは分からない。新しい家は、ほとんどが白色に塗られているのですぐわかる。

川沿いの典型的なカスバ。

 ベルベル人の素朴な家。あまりに原始的で面白いので写真にとった。人が出入りしていたから使われていることはまちがいないが、住居というより仮の休憩場かもしれない。

 

 右の写真の赤い車は、ホテル自動車。自動車で寝泊まりしながら観光するのだという。必要な食材は、地元のスーパーで調達する。ドイツから来た車で、乗客はドイツ人。やはりドイツ人は旅行好き、物好きが多いようだ。ドイツ人はイギリス人と並んで旅行が好きで、世界どこへ行ってもドイツ人とイギリス人がいるというのは世界旅行通には定評らしい。日本人も世界旅行が好きな民族だが、彼らにはまったくかなわないという。日本はアジアのはずれ。地理的なハンデが大きい。

 


初めて見たホテルになっている自動車

タジン鍋のふたをとったところ。味付けは馴染めないが、悪くはない。

タジン鍋の独特のふた

トドラ渓谷の清流に遊ぶ観光客

トドラ渓谷

 アカバ街道からアドラス山脈のほうに入ったところにはいくつかの渓谷がある。トドラ渓谷はその中でも最大の渓谷。

 川の向こう岸に何か書いてある。ガイドさんに聞くと、ベルベル人のマークらしい。この意匠はベルベル人の旗にも使われている。
 ベルベル人は、北アフリカの広い地域に古くから住み、ベルベル語を母語とする人々の総称。北アフリカ諸国でアラブ人が多数を占めるようになった現在も一定の人口をもち、文化的な独自性を維持する先住民族である。形質的にはコーカソイドで、宗教はイスラム教を信じる。(Wikipediaより)

 ベルベル人は戦闘に強いという話は多い。フランス人部隊はベルベル人に襲われると一目散に逃げだしたという。彼らが勇敢で戦闘に強いのを知っていた。プランス人は、ベルベルたちが制圧をした後の戦勝の宴が好きで、みんながベロベロに酔ってしまうことも知っていた。フランス人は、ベルベル人がベロベロに酔ったところで帰ってきて、難なく奪回するのだという。なにか面白いような哀しいような。
 右の写真の写真のような、馬やラクダに乗り鉄砲を撃ちかける騎馬戦の祭りがある。泊ったホテルのTVでその模様を放映していて、たまたまそれを見てしまった。世界から好きな人たちがその祭りを見に集まるという。男たちはどんな夢をみているのだろうか。似たような戦国衣装の騎馬祭りは日本でもありそうだ。


 ベルベル人の女性の写真。女性は美人が多いらしい。 ベルベル人は自立意識が強く、戦闘でも強く、古来、反乱を繰り返してきたという。

「ファンタジア」というらしい模擬騎馬戦の写真の写真。やはりこちらの砂漠の民はこういう生き方が好きなのだろう。

左の岸にレストランがあったが、深夜、大岩が落ちてきて半壊した。レストランはしばらく開店していたが、客が入らないので閉店しているらしい。

 住民の住居。土レンガを積み重ねて作られている。夏は涼しく、冬は保温性があり、それなりに快適だという。
 この素朴な異郷感がたまらない。

 アイト・ベン・ハッドゥ で見た立派な城塞住居・カスバ。イスラムとは異なるベルベル人素朴な意匠が独特の雰囲気を出している。のこのカスバもやがては右の写真のように朽ち果て自然に戻っていくのだろう。


 壊れ朽ちた城塞住居。こんな打ち捨てられた家屋がよく見られた。壁に開いている穴はここに木の棒を差し込んで足場にするためのもの。木が貴重で手に入らなければ、土をこねて日干しレンガを造り、それを積み上げて壁を造るしかない。ここの風土、気候にあった建造物には違いない。住めばそれなりに快適なのだろう。石に比べると強度はかなり低いようだ。

photo by miura 2017.10 mail:お問い合わせ
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