貞享4年12月、1687年、芭蕉44歳。

物を食い、酒も飲んだ。折から雪も降り出した。
さあ、雪景色を見にでかけよう。雪に転ぶも一興ではないか。
芭蕉にしては珍しく、軽くユーモアのある句。こうゆう風流心、遊び心がないとよい句はつくれない。芭蕉は雪が降ると「雪丸げ」(ゆきだるま)を作ったり、雪見に興じたりした(のだろうか)。
「乾坤の変は風流の種」である。「四時(季節の変化)に従い、四時を友とする」ところに風雅の誠の詩境がある。雪月花は芭蕉の好きなテーマ。


「いざ出む」の詞書

あるひとのもとにあそびて、ものくひさけのむほどに、ゆきのおかしう降出(ふりいで)ければ、
               ばせを
いざ出む雪みにころぶ処まで

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