元禄2年9月、1689年、芭蕉46歳。

句は「猿蓑(さるみの)」の有名な巻頭句。初時雨の中で震えながら立ちすくむ猿。小蓑をほしそうに、雨に打たれている。「ユーモアとペーソス」か。
「あつかりし夏も過、悲しかりし秋もくれて」 、今は初冬。ややパターン化されているが、この対の表現もいい。芭蕉の「悲しかりし秋」とはどんな秋だったのだろう。


「初しぐれ」の詞書

あつかりし夏も過、悲しかりし秋もくれて、山家(やまが)に初冬をむかへて、
             ばせを
 はつしぐれさるもこみのをほしげ也

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