メニューヘ

 

▼メニュー


「形成的アセスメント」についてのノート

2008.8 三浦@int


1.形成的アセスメン
トとは何か


2.形成的アセスメント
の目的と目標 

3.形成的アセスメント
の要素

4.政策的枠組み
能力

5.利点と障害





1.形成的アセスメントとは何か 


 「キー・コンピテンシー 国際標準の学力を目指して」OECD(経済協力開発機構)のDeSeCo (コンピテンシーの定義と選択:その理論的・概念的基礎)
 この資料を基に、「キー・コンピテンシー」についてノートをまとめた。ここでは、その延長として、OECD
教育研究革新センターが編集した「形成的アセスメントと学力」(明石書店)により、「形成的アセスメント」といわれるものについてまとめてみた。

 同じOECDのDeSeCo(デセコ)プロジェクトは、「より大きな学力概念によりPISA学力調査などに根拠をあたえようとする試み」とされ、1997年にスタートし、2003年に最終報告が出された。
 その成果が「キー・コンピテンシー」としてまとめられている。DeSeCoプロジェクトでは「人生の成功と正常に機能する社会の実現を高いレベルで達成する個人の特性」を「キー・コンピテンシー」としてまとめた(暫定的な定義としつつも)としている。
 学校教育に限定されがちな学力を、より大きく深い人間的能力観の枠組みの中で考え直しており、個人と社会の双方に利益をもたらすものという前提にたって、「価値ある個人的・社会的成果をもたらす能力」であるとしている。

 もともとPISA調査は、「国際的に見て自国の教育の現状がどのような水準にあるのか、その位置づけを示す指標への要望」からスタートしている。「国として教育政策の成果を評価する必要」からその手段として期待されたものである。

 DeSeCoプロジェクトは、キー・コンピテンシーを、暫定的なものとしつつも個人の「人生における成功」や「正常に機能する社会」を目指すものとしてまとめきっている。

キー・コンピテンシーは、次の3つに集約される。
 @自律的に行動する能力
 A社会的な異質の集団における交流能力
 B社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力

キーコンピテンシーの成果(目指すもの)
     

 「形成的アセスメントとは、生徒の学習ニーズを確認し、それに合わせて適切な授業を進めるための、生徒の理解と学力進歩に関する頻繁かつ対話型(インタラクティブ)なアセスメントを指す。」

 「形成的アセスメントは、学力の達成状況を測り、学習法と指導法を反省して、学力の向上を促す効果的な戦略のひとつである。
 生徒の学力水準を向上させ、生徒への成果の公平性を高め、「学習の学習」技能を改善する。 形成的アセスメントが総括的アセスメントと異なるのは、学力向上に利用するということ。」
 「OECDの学習到達度調査:PISAは、国際的な総括的アセスメントであり、国の教育システムの実績を他国と比較する。」

***************************************************************************************

 「評価と指導」の学習指導のサイクルが生徒の学力向上の方略として有効なことは誰も否定する人はいないだろう。だが、生徒の学力状況をどう把握するか、生徒の達成状況を把握したら、生徒をどう指導するのか。そのための効果的なノウハウはあるのだろうか。教師の活動を支援する環境は整備されているのだろうか。「形成的アセスメント」を実効たらしめるためには何が必要なのだろうか。
 形成的アセスメントは、評価の結果をどう指導に生かしていくか、その道筋をつけてはじめて生徒の学力に対して「形成的」になることができるのではないか。学力評価は「形成的」であるべきだが、どうすれば「形成的」であることを実現できるのか。それが問題であるように思う。

 本書「形成的アセスメントと学力」の「形成的アセスメント」は、いわば「評価と指導のシステム」といえそうだが、生徒の学力水準を向上させ、「学習の学習」(=メタ学習)技能を改善することを目標としている。この場合の「学力」の意味に留意する必要がある。単純な教科的学力ではない。
 「学習の学習」技能の改善は、学習を遂行する生徒自身に求められる技能であるが、かなり高度な能力といえそうだ。その育成のため教師の役割は生徒を支援するという立場になるが、このパターンは「学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力」や「個性尊重」という「生きる力」「確かな学力」の育成という日本の教育方針とも重なってくる。
 「確かな学力」の前提として、生徒の生活レベルでの学習環境の整備や学習準備的な指導の充実や、知識や技能の基礎基本の徹底習得があるのだが、それを飛び越してしまって生徒の「自主性の尊重」や「個性の尊重」に流れてしまったといううらみがある。生徒の「自主性の尊重」というすばらしいテーマを掲げながら、なぜ表面的な掛け声倒れになってしまったのか。何が足りなかったのか。そして今、学力向上は「知識・理解」の方向に向かうのか、「思考・判断」などの新しい学力の方向なのか。
 「学習の学習」技能の習得、なぜ学習するのか、何のために学習するのかを理解した上で学習を遂行できる能力は、かなり高度な学習意識であり、メタ認知・メタ学習といわれるような能力・技能が形成できていないと無理だといわれている。自然の学習状態のままでは、成績下位者にはきわめて困難な課題であり、成績の上位何%かに許されるかなり高度な学習領域なのではないか。「学習の学習」技能の習得が、学力向上に必要な能力であるとするなら、その困難な課題を抱えて低学力生徒にどう対応していくのか、そのためにはどのような指導の方略が必要なのか。
 ここで、OECD調査の国際的なレベルでの学力向上のための施策、「形成的アセスメント」の方向や考え方をみておくのは、意義のあることだろう。


2.形成的アセスメントの目的と目標


(1)生徒の学力達成状況=学力水準のさらなる向上・促進

 高い学力達成状況(パフォーマンス)を促進するために研究されてきた方法のうちで、おそらく最も重要な是正措置のひとつ。

(2)学習成果の公平性を高める:万人のための教育
 学力達成状況のばらつきの背後にある要因を特定し、確認されたニーズに取り組むべく授業を合わせていくために、形成的アセスメントを使う。

(3)「学習の学習」(=メタ学習)技能の発達
 よく定義された学習目標への教授学習プロセスに巻き込む。
@教授学習プロセスに重点を置き、生徒をそのプロセスに積極的に巻き込むこと。
Aピア(仲間同士の相互)アセスメントおよび自己(把握・申告)アセスメントのための生徒の技能を確立する。
B生徒が自身の学習を理解し、「学習の学習」のための適切な方略を開発する。

(4)生涯学習のゴール(目的)を満たす(手段として利用)
 ここでいうゴールは、生徒個人の将来における幸福のためであり、民主的に正常に機能する社会の構成員になることである。

<障壁に取り組む>
形成的と総括的の対立
学習ゴール(目標)を犠牲にして、達成ゴール(テストで高い得点をとること)を優先する。
教師は「テストのために教えること」を強制される。
評価の文化の強化
生徒の学習のためのアセスメント
学校改善のための評価
→体系的改善のための評価

***************************************************************************************

 PISAの学力調査は、国際的な総括的アセスメントだが、形成的なアセスメントは学校や地域で行われる。では何のためのアセスメントなのか。
 OECD教育研究革新センターの「形成的アセスメントと学力」では、その目的の第一に「学力の向上」をあげている。ここでいう学力は、PISA型学力とでもいえるもので、実践的・活用的学力であり、「学習の学習」の技能であり、教科のリテラシー である。
 第二の「学習成果の公平性」は、教育機会の公平からさらに教育結果の公平を目指そうとするものなのだろうか。教育の大きな目的に近づくために、形成的アセスメントを活用するのだという。
第三の「学習の学習」は、「メタ学習」ともいわれるもので、その根底には「メタ認知」がある。「メタ認知」の能力と技能を向上させることが、形成的アセスメントの目的であるとする。「メタ認知」能力とは、認知の過程を意識化し、それを制御する能力だといわれ、「メタ学習」能力は、学習過程についての認知であり、学習の仕方やその効果を認知・制御する能力であるといわれる。PISAの学力調査のまとめでは、「メタ認知」能力や反省的思考・熟考の能力を自立的に学習を進めていくために必要な能力として重視している。
第四の「生涯学習の目的」、つまり生徒の人生における幸福の実現であり、正常に機能する社会の構成員になることであるが、それは生涯をかけての学習と学力の目的であり、形成的アセスメントも当然それを目的としているということである。学校教育の目的も「生涯学習の目的」と異なるものではない。学習や学力の向上もこの目的から離れるものではない。
 「評価と指導」のサイクルのなかで目指されているものは、生徒の学力の向上だろうか、教科書的=指導要領的学習事項の効果的な指導だろうか。OECD教育研究革新センターの「形成的アセスメント」は、「学習成果の公平性」を高めることを目指し、出来ない生徒の指導法の工夫を重視し、「学習の学習」技能の発達を図ろうとしている。これは単なる指導法の改善といったレベルではない。「教育はより全体的で、広範な人間的諸目的達成するものであるべきだ」とするDeSeCoプロジェクトの理念を実現しようとするものとなっている。
 下の図は形成的アセスメントの目的を筆者がまとめたもの。



 これについては、次の章のアセスメントの構成要素の中で敷衍している。

 

3.形成的アセスメントの要素

 形成的アセスメントの構成要素であり、概念でもある。
「児童生徒中心の学習」に関する美辞麗句的な原則のようにいわれることもあるが、豊富な実践の中には成果をあげている事例も多い。
本書「形成的アセスメントと学力」より、まとめてみた。

(1)相互作用を促進する教室文化の確立とアセスメントツールの使用


 形成的アセスメントの概念は、1971年ブルーム、ヘスティングスとマドゥスによって導入された。
教師は生徒の学業を修正する方法としてフィードバックと矯正を提供すべきである。
ほとんどの専門家は、形成的アセスメントを教授学習プロセスの進行中の一部と考えている。
自己認識、自己制御、同情、協力、柔軟性、および情報価値を判断する能力などの人格を含む感情のコンピテンシーは、学校そして生涯にわたって、生徒のとって有益なものである。

・生徒が教室で安心して自信を持てると感じるように手助けすること。
  言語コンピテンシーを発達させること。
  自尊感情(自己効率感)、動機付け、自身の学習を制御する能力(自己制御)
・生徒の個性や文化の違いを認めること。
  グループワーク・知識の共同構築・仲間との連帯感
・生徒の学習計画を立てること。
  学校の教師は、仕事をする中で、創造的で、柔軟で、自己批判的であろうとする。
  どのアセスメントを使用するか、形成的か、今までの方法か、両方を使うのか。

(2)学習ゴールの確立とゴールに向けた生徒の学力進歩の追跡

 生徒の学業成績のスタンダード(ゴール:達成目標のことか)を設定し、スタンダードへの生徒の学習進歩を記録・モニターすることが重要である。
 より一層生徒のニーズに合うように学習ゴールを調整することも認められる。

 生徒個々の学力進歩を追跡する新しい内部システムを開発する必要がある。
 生徒の学力進歩を追跡することが形成的なプロセスに重要である。
 教師が各生徒の学力進歩に関する個人別の冊子をもっている。この方法で、彼らは生徒をよりよく知ることができ、また、他の教師にも生徒の人物像を伝えることができる。

 より出来の悪い生徒のためのシステムである。

 集団準拠から、目標準拠へ。
 実在の学習ゴールへ向けて生徒の学力進歩を追跡することが、仲間の進歩との比較よりも効果的であるという見解は、国際研究によって支持されている。
 生徒を比較する状況においては、成績の悪い生徒は、自分が能力に欠けるという見解を取り入れて、それゆえ動機付けと自信を失ってしまう。

 能力よりも努力の重要性についての教師の信念は、生徒の自分自身についての信念の中で重要な役割を果たす。

<生徒へのプラス効果>
・内発的な動機付け
・自尊感情
・教科の学力的な自己概念
・原因帰属(弱点の発見など)
・学習
 学習ゴールの確立とそれらのゴールに向けての生徒の学力進歩を追跡することは、学習プロセスをさらに分かりやすいものにする。
 教師もたまた生徒が自分自身の学力進歩を追跡し自信を築くよう手助けする。

(3)多様な生徒のニーズに応じた様々な指導方法の活用

 民族的特性、文化、社会経済的階層、ジェンダーなどの違いに基づく生徒ニーズに対応することができるかどうか。

 お互い教えあう機会。
 よくできる生徒が仲間の生徒を手助けするよう奨励する。

(4)生徒の理解を把握・予想(アセス)することへの多様なアプローチの使用

 学力進歩を把握し予測すること。
 診断的アセスメントの使用
 信号機・手を挙げさせる代わりに考える時間・ポートフォリオ

(5)生徒の学力達成状況へのフィードバックと確認されたニーズに合わせて授業を行う

 教師はフィードバックを与える時には、生徒が理解していること、していないことに、より細心の注意を払い、確認した生徒のニーズに応じた授業方略をより上手に調整することができる。
 生徒は、成果目標というよりもプロセスのゴールに向けて作業をしている時、そして学習の全体的なゴールへの学力の進歩を記録・追跡している時に、より良い結果を得る。

(6)学習プロセスへの積極的な関与

 教師は、生徒が自身の「学習の学習」(学習方法についての学習)技能を発達させる手助けをする。

・足場組み学習 グループワークによる共同学習
・生徒が学習方略のレパートリーを作り出すのを手助けすること
・仲間によるヒア(相互)アセスメントや自己アセスメントの技能
・経験から学ぶこと

 形成的アセスメントの最終ゴールは、生徒が自分自身の課業を評価して改善することができるようにすることである。
 形成的アセスメントのゴールは、自らの「学習の学習」技能(「メタ認知」方略)の開発に生徒を導くことである。

○「メタ認知」「考えることについての省察」
 認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。
 学習者が主体的に学習を進める場合、学習コンテンツを学ぶだけでなく、自分の学習プロセスを「観察」しながら「制御(調整)」することが不可欠である。これは、学習プロセスに対するメタ認知的活動と呼ばれ、コンテンツの学習効果・効率を高める上で非常に重要な役割を担うものである。学習プロセスの制御の仕方を学ぶこと、つまりメタ学習(「学習の学習」)の能力を育成する必要がある。

<メタ認知能力を測る9項目>
1.自分が用いる方法がどのような問題解決のときに、最も効果的なのかを知っている
2.どのようなやり方が有効か、十分考えてから課題に取り組む
3.問題の中の重要な部分に意識的に注意を向けている
4.自分がどの程度よく理解できているかについてうまく判断できる
5.問題が解けたとき、自分がどういう方法を用いたかわかっている
6.問題に取り組んでいるときに、うまくいっているかどうか、定期的に自分でチェックしている
7.勉強するときは、その目的に合わせてやり方を変える
8.勉強したり課題を行うときには、計画を立てる
9.考えが混乱したときには、立ち止まり、もとに戻って考えてみる


 どのように学ぶかについての自覚を持っている生徒こそ、うまくゴールを設定することができ、様々な学習方略を開発し、そして自分自身の学習方略を制御し、評価することができる。
 生徒は、動機付けや自信を失うと、制御方略をうまく使えなくなる。
 「自己効率感」。教師の重要な役割は、子供が自信を築き、様々な学習方略を開発することを手助けすることである。

 この研究は、期待以下の成績をとっている生徒を含め、「学習の学習」技能の発達を手助けする際に、生徒の成績に効果を及ぼせるように形成的アセスメントの要素をどのように適用するか、ということ。

 

4.政策的枠組み

(1)形成的アセスメントの実践を促進する法律制定
   条例。教授法の基礎としてアセスメントを組み込む。
(2)学校・教室のレベルで形成的な目的に総括的データを使用する
   学校自己評価ツールのWeb上での公開
   学年末の評価を次年度の担当教師に提供する。
(3)中央のカリキュラムと教授資料に組み込まれた、効果的な授業と形成的アセスメントの実践ガイドライン、個人別学習計画
(4)形成的アセスメントを支えるツール(模範例)と教授リソースの供給
(5)イニシアティブと革新的なプログラムへの投資
(6)教師の専門性の向上

<政策指針>
(1)教授学習に焦点を合わせよ。
(2)総括的・形成的アセスメントアプローチを、照準を合わせた緊密な提携のもと、配列上に位置あわせせよ。
(3)教室と学校及びシステムレベルで集められたデータがリンクされ、形成的に使われることを保証せよ。
(4)形成テクアセスメントの検収と支援に投資せよ。
(5)イノベーションを奨励せよ。
(6)研究と政策及び実践の間に、より強い連携を打ちたてよ。

 

5.利点と障害

 形成的アセスメントは教師の共感を呼ぶが、これを日常の実践に移すことは不可能であり、多くの障壁があると抗議する。

・障壁に取り組み、教室レベルで利点を実現する
  分割されたクラス
  共同学習のテクニック
  ピア・アセスメント(仲間の相互評価)
  対立の解決
  リーダーシップ・チームワーク
  カリキュラム要件に優先順位をつけること。
  生徒の能力について信念を変化させること。

大多数の教師が定期的に交流すること。
質の高い授業と生徒のアセスメントについての考えを共有すること。

 

6.形成的アセスメントの事例

カナダ ケベック州のPROTICプログラム

情報テクノロジーとコミュニケーションに重点を置く中等教育プログラム。
生徒の認知的、メタ認知的スキルや社会的スキルを発達させることに焦点を合わせている。
・オンライン電子ポートフォリオの考案
・集団準拠からクライテリオン(目標準拠)評価へ
・多様な方法で情報通信技術を使う。
・グループワーク
・クライテリア表は、生徒が自分たちのグループの課題をみつけ解決していくのに有効。
・生徒は自分の学習ポートフォリオを所有する。
・教師は生徒に、ブレタンと呼ばれるレポートカードを1年に4回発行する。
  自己管理・テクノロジーの使用・チームワーク・コミュニケーションスキル
  社会的スキルなどの教科超えるスキルについて評価し生徒に提示する。
・教師は、学習の方法論と取り組み方を教える。
・支援の必要な生徒には、30分以上も話し合う。
・「良き家庭のような学校」
  精神的な安定、養育的
・生徒の自己アセスメントとピアアセスメントのためにポートフォーリオを活用。
・学習を改善するための生徒同士の教えあい。
・学習リソースが豊かな学校の中での、脳科学の所見に基づいた学習。
  多重知性理論(ハワード・ガードナー)
  「絵に優れている」(視覚-空間的知性)
  「言葉に優れている」(言語的知性)
  「数字に優れている」(数学的知性)
  「音楽に優れている」(音楽的知性)

デンマーク 国立教育実験センター(SPF)

形成的アセスメントをすべての教授学習に統合する。
・プロファイル(素描)
  生徒の学習目標と進歩のアセスメント。
  このファイルは、秋学期の生徒・保護者・教師の会合の基礎となる。
  多重知性理論に元ずく自己理解。
・学習プロセスの追跡
・学習結果の記録
・「生徒-保護者-学校」の話し合い(年2回)

イングランド

児童生徒は、7歳・11歳・14歳・16歳の各段階で、ナショナルカリキュラムスタンダードの達成度を測定するための試験を受けることが義務付けられている。
メディアは、各学校に関して、学校の質を示す指標としての「リーグ表」なる試験結果を公表することが習慣化した。
・学習方法の学習(Learning How to Learn)
  学習者と教師がともに活用できるデータを求め、解釈するプロセスのこと。
・透明な授業
  授業の初めに、今日の学習目標を示す。
  今日は何を教えたか・生徒は何を理解したか・どの生徒にどのようなサポートをすべきか。
・ペアによる相互評価
・宿題は授業開始時に示す。

フィンランド

学校レベルでの自己評価を推奨。
学校自己評価の高まりが、生徒の自己把握・セルフアセスメントに繋がっている。
自校を他校と比較することや、生徒を他の生徒と比較することよりも、生徒の成長に焦点を当てることのほうが重要だという認識。
アセスメントは、 セルフアセスメントをする技能の発達のためのツールである。
・クラス規模は15〜20人。
・生徒の自己アセスメントのためのシステムを開発。
・学習事項の習得よりも、学習技能の習得を重視する。
・自己評価と教師評価の突合せ。
・生徒が相互に影響を与え合う。
・生徒への頻繁なフィードバック
・学習環境の整備・組織化

とりあえず、以上


  by miura 2008.8 mail: お問い合わせ