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ケープ・タウン [地図]



きれいなビジネス街だが、昼間でも人がほとんどいない。

ケープ・タウンの中心街

 ヨハネスブルグからSAで2時間10分、ケープタウンに着く。この日、写真のバックにあるテーブルマウンテンにロープウェイで登る予定だったが、頂上付近に雲が出ているということで中止になった。
 テーブルマウンテンはすばらしいし、街もきれいだが写真のように人がいない。午後4時頃だが会社で仕事をしている人以外は、どこに行ってしまったのだろう。日本の都会の雑踏からみると不思議な光景。治安の問題であまり人は出歩かないのだという。ヨハネスブルグのビルとは違ってビルは利用されているようだ。
 治安の問題というが、治安の問題って何なのだろう。ガイドさんの話では、「国民性の問題」だというが、どういう国民性なのだろう。観光客は「カモネギ」で狙われるとのこと。拳銃やナイフで脅かされたら、とにかくお金を出すこと。数万円と命は引き換えにできないでしょ、とのこと。


ウォータフロントのショッピング・レストラン街

ウォータフロント

 白人や観光客は、海沿いのウォータフロントと呼ばれるショッピング街。レストラン街に出向くようだ。あっちこっちに警察官や警備の人が立っていて不審者がいないか眼を光らせている。観光客が安心して(?)買い物や食事ができるようにということだ。街はよく整備されていてきれいだが、まるで未来都市の外敵からの解放区のような雰囲気。おいしいパンとワインはよかったが、何か落ち着かない。

 南アフリカでは、白人1人の雇用に対して黒人5人を雇わなければならないというきまりがあり、黒人の雇用は増えたが、白人の勤め先がないという問題があるという。そのため大学を卒業した青年たちの多くは外国に職を求めるのだという。悲しい歴史のしわ寄せが若者たちに及んでいる。

ロベン島に向かって、ケープ・タウンを望む

 翌日、ケープ半島の湾に浮かぶ刑務所島のロベン島に向かう。小さな船で約30分、黒人と海外からの観光客が多い。
 青い空と海の間のテーブルマウンテンとケープタウンの町のコントラストが美しい。テーブルマウンテンはきわめて印象的な山だ。ヨーロッパとアジアを結ぶ航路の船はこの風景を見ていたに違いない。

 ロベン島はアパルトヘイトの時代に主に政治犯が収容されていた黒人専用の刑務所で、1959年〜1991年の30年間に約3000人の政治犯が収容されたという。そのなかにマンデラ元大統領もいた。


カラスのようなウミウが波止場の堤防ででむかえてくれた。

刑務所島=ロベン島の堤防で

 ロベン島の港の堤防の上にたむろするウミウ。堤防をびっしり埋めていた。なにか異様な光景だが、監獄島にふさわしい出迎えのようにも思えた。
 この刑務所は反アパルトヘイト運動により反逆罪として逮捕された政治犯の強制収容所として使われ、ネルソン・マンデラ元大統領らが収監されていた。
1999年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。

 日本人にはも私も含めて差別されることの現実がわからない。アジア人が西洋やアメリカで差別的に扱われるということとアパルトヘイトは比較にならない。反アパルトヘイト運動と弾圧の嵐の中で、自由と平等と民主化を勝ち取ってきた歴史は重い。


刑務所の門。味がある。

マンデラ元大統領が18年間収監されていた刑務所


 ネルソン・マンデラ元大統領が18年間収監されていた3畳程度の部屋。この部屋で18年過ごすのはつらい。
 案内が英語なのが残念。やはり語学力は必須だ。

刑務所の案内人は元収監者

元収監人
 刑務所内はマンデラ元大統領らといっしょに収監されていたというこの人が案内し説明してくれた。英語で、収容された政治犯の生活の様子などを細かく説明し、弾圧をかいくぐって自由を獲得したことを誇りをもって説明していた(と思う)。説明はすべて英語だったため、英語に弱い人は忍耐が必要。私も耐えた。日本語での説明があればもっと興味深く聞けたのに残念。人種差別の現実は、体験した者でないとわからないと思う。
 元囚人の説明者の態度は、言葉はよくわからないが、獄中18年の人の人間的な誇りが感じられ感動的といってもよい説明だった。


  船着場には、囚人たちが島に到着した時の様子をうつした写真が壁に掛けられていて、写真を見ていると当時の様子が実感できる。この写真と左の写真は同じ場所・方向からとったもの。妙なリアリティがある。南アフリカの歴史は重い。1990年にはマンデラが釈放され、1991年にはアパルトヘイトが廃止された。黒人(79%)、白人(9.6%)、混血・アジア系がその他の人口構成だが、国会議員もこの比率を反映しているようだ。ガイドさんが、議員の半数が黒人の女性たちという説明があったとき、バスの中の女性観光客から賞賛の歓声があがった。やはりというか、日本の女性観光客も反女性差別を戦い抜いてきた戦士たちであった。

テーブルマウンテン


 ケープタウンの市街からすぐ裏山がテーブルマウンテン。ケーブルカー乗り場までのながめもすばらしい。


 ケーブルカーは円形で、動き出すとすぐに内側の容器が回転する。頂上に着くまでにちょうど1回転する。どの乗客も平等に眺めを楽しめるということか。曇りが続いた後のケーブルカー乗り場は長蛇の列となる。

半島の先に霞んでいるのが希望峰。眺めは雄大で壮観。
テーブルマウンテンの頂上は平らで、遊歩道があり、空中散歩が楽しめる。


 とんがっている山が、ライオンズヘッド。 その向こうの丘がシグナルヒル。シグナルヒルからの夜景がすばらしい。

   
photo by miura 2007.2 mail:お問い合わせ
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